古くから多くの文人が訪れた町、城崎。まずは、どんな文豪が訪れているのかを「城崎町文芸館」で勉強してみよう!歴史の授業で習った人物が城崎に訪れているよ!

【白樺派の文学】1910(明治43)年、学習院関係の志賀直哉、武者小路実篤、有島武郎、木下利玄、里見らによって文芸雑誌「白樺」が創刊される。当初、世間知らずのお坊っちゃんと批判を受けるが、旺盛な作品発表と誌上での発言により、大正中期には文壇の一大勢力となっていった。

城崎には古くから多数の文豪が訪れている。その中でも、文芸雑誌「白樺」の代表作家でもある「志賀直哉」(1883〜1971)と城崎の関わりは深く、城崎の温泉、人情、食べ物すべてを愛した文人の代表格である。
志賀直哉が、これほどまで城崎を愛するようになったきっかけは、1913(大正2)年、白樺派の里見と散歩に出た際、山手線の電車に跳ねられ重症を負い、怪我の養生のために城崎を訪れたことだった。城崎の街にふれた直哉は、その四年後、身辺鑑賞記である「城崎にて」を発表した。以来、志賀直哉は城崎を愛し、生涯に十数度も足を運んでいる。
志賀直哉だけでなく白樺派の作家も城崎に訪れ、その当時、浴槽が深かった「まんだら湯」に里見が入湯した際、顔までつかってしまったという話しや、温泉寺の住職から「南無阿弥陀仏」の書を受け取った有島武郎が、宿でずっと見ていたという話しなどが残っている。
【城崎町文芸館1F/白樺派と城崎】
ここに展示されている作品は、白樺派の代表作品の本や書簡、掛軸、そして志賀直哉自筆の白樺原稿「若手落語会」の展示もある。他には、白樺派が城崎を訪れたことを記す「白樺派の足跡マップ」や、「志賀直哉年譜」、志賀直哉と城崎のかかわりを表にした「志賀直哉と城崎のかかわり」などの展示がある。
城崎を訪れた文豪は志賀直哉や白樺派だけではありません。その歴史は平安時代から昭和時代に至るまで、数多くの文人、墨客が訪れています。例えば、島崎藤村、司馬遼太郎、松尾芭蕉、吉田兼好、与謝野寛・晶子などなど…。城崎は、学生の時、歴史の授業で習った文人、墨客が訪れている街なのです。

【城崎町文芸館2F/城崎ゆかりの文人墨客】
この展示室では、小説家が作品に書き、歌人が歌に詠み、画家が描いた城崎にふれることが出来ます。文人、墨客の本や書簡、画帖、歌集、掛軸などがあり、島崎藤村などの自筆書簡も展示されています。
【短歌俳句作成コーナー(写真右)】
この展示室の一画に、思い思いの短歌や俳句をしたためることができる「短歌俳句作成コーナー」があります。城崎での旅の思い出や出来事などをここで一句。これであなたも城崎的文学人!?<

今回取材でお世話になった「城崎町文芸館」のご紹介です。
【2F/城崎温泉の歴史】
1400年の歴史をもつ城崎温泉についての資料が展示されています。1813(文化10)年の湯加持札や、入浴券の変遷、城崎温泉内湯訴訟事件など興味深い資料も数々展示。
【1F/麦わら細工製作体験コーナー】
城崎の伝統工芸「麦わら細工」。指導員のもと、日本中でも城崎だけの伝統にふれることができます。所要時間は20分程度。
【お茶コーナー&ミュージアムショップ】
城崎ゆかりの文学読本等を販売しています。また、紅茶・コーヒーなども頂くことができ、文学にふれた後、ゆっくりと寛ぐことが出来ます。
【イベントホール】
年間を通して、いろんなイベントが開催されます。そしてここには城崎ロープウェイを発案された太田垣士郎の銅像があります!※イベントの詳細は、お問合せ下さい。

城崎町文芸館 http://www.kinosaki-spa.gr.jp
兵庫県豊岡市城崎町湯島357-1
TEL.0796-32-2575 / FAX.0796-32-3005
観覧料/ 大 人:個人400円 団体(20人以上)300円
中高生:個人300円 団体(20人以上)150円
開館時間/9:00〜17:00
休館日/毎月最終水曜日(水曜日が祝日の場合はその翌日)、年末年始

→ #02 城崎の町中にある文学碑を訪れる。

城崎まんきつガイド