前回特集した「城崎を訪れた文豪」で、どんな文豪が城崎に訪れているのか分かったかな?
今度は城崎の町へ飛び出して、ところどころにある文学碑を訪ねてみよう!

城崎の町中にある文学碑を訪ねてみよう!
鴻の湯
菅沼 奇淵
1804年、山陰を行脚した際に城崎に立ち寄る。
御所湯
西坊 千影
1803年、豊岡の俳人に案内されて来遊した。
まんだら湯
吉井 勇
1933、34年、妻と別居し、流浪の旅の際立ち寄る。
一の湯
与謝野 寛・晶子
1930年に夫婦で来遊した際の歌。
柳湯
富田 砕花
大正・昭和に、民衆の代表的詩人・歌人として活躍。
地蔵湯
白鳥 省吾
地蔵湯橋でカニを売る猟師の妻の姿に情緒を感じ歌った。
城崎駅前
島崎 藤村
1927年、紀行文「山陰土産」を朝日新聞に掲載した。
文芸館前
志賀 直哉
“直哉”と署名をよせられたので建立された文学碑。
文学碑を探索! 印は歌の投稿ポストがあります
1城崎駅前
島崎 藤村
6一の湯
与謝野 寛・晶子
11つたや別館
藤井 重夫
16薬師堂前
有島 武郎
2東山公園
柴野 栗山
7文芸館前
志賀 直哉
12まんだら湯
吉井 勇
17温泉寺参道
山口 羅人
3東山公園
村瀬 藤城
8ゆとうや
松瀬 青々
13月見橋
松尾 芭蕉
18温泉寺参道
加茂 季鷹
4地蔵湯
白鳥 省吾
9御所湯
西坊 千影
14鴻の湯
菅沼 奇淵
19温泉寺
山口 誓子
5柳湯
富田 砕花
10つたや
司馬 遼太郎
15晴嵐亭
田中 冬二
20ロープウェイ頂上
吉田 兼好


‥‥大きな桑の木が路傍にある。彼方の、路へ差し出した桑の枝で、或一つの葉だけがヒラ−ヒラ−。同じリズムで動いている。風もなく流れの他は総て静寂の中にその葉だけがいつまでもヒラ−ヒラ−と忙しく動くのが見えた。‥‥
(志賀直哉「城の崎にて」より)

城崎の町から竹野方面へ向かう道沿いに、志賀直哉ゆかりの「桑の木」(現在の桑の木は二代目)がある。
志賀直哉は、大正二年十月、電車にはねられた後、養生のために城崎の訪れ、三週間の滞在中の体験から「城の崎にて」が生まれた。そして、直哉が旅館から大谿川の清流に沿って歩いていたちょうどこの桑の木辺りが直哉の散策コースとなっていたそうだ。
この桑の木が「城の崎にて」に書かれているのか思うと、少し感動してしまった…。
城崎の町中にある文学碑のそばに「歌のポスト」と書いたポストが置いてある。これは何?と思う人も多いはず。実はこのポスト、俳句や短歌などを旅人に投稿してもらおうというポストなのです。城崎での旅の思い出や出来事などを歌にして、備え付けの用紙に記入し、ポストに投函。投函した短歌は、毎年秋に行われる「短歌コンクール」で選考され、入賞者には賞状などが贈られます。あなたも文学人になりきって、素敵な歌を作ってみては?
この橋には、昨年度の最優秀賞作品の歌が。
「It's summer time why do you go to KINOSAKI
 I know you wish to see YANAGI SAYASAYA」
訳:夏なのにどうしてあなたは城崎へ 会いたいのですね柳さやさや

→ #01 城崎町文芸館で、城崎に訪れた文豪を知る。

城崎まんきつガイド